卒業式でのPTA代表祝辞(全文掲載)


本日は小学校の卒業式。
PTA会長として祝辞を読む任務があるので行ってきました。
たぶん半分冷やかしなんだけど、毎年掲載しろという声があるので、今年も掲載しておきます。
もう自分は二度と同じ祝辞を読まないので版権フリーです。
無論、使いたければの話ですが。
 
二回目だったので出がらしになるのが怖かったけど、まあそこそこ別の切り口で同じようなテーマを語れたのではないかと思います。特に、今年は伝えたい事があったので、それを中心に組み上げた体裁となった。文書の重心になっているところに、伝えたかったことは書いてありますが、たぶんぼかし過ぎて伝わってないな。
 
まあ、とにかく以下に掲載します。
 
あ、長いよ。
 

本日の卒業式にあたり、PTAを代表いたしまして、お祝いの言葉を述べさせていただきます。
卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。小学校の六年間はいかがでしたか?
勉強したこと、友達と遊んだこと、部活動や行事でがんばったこと。思い出はそれぞれ違うでしょうが、その思い出が、いずれ遠い未来に、みなさんを勇気づける力の源になることを願っています。
 
卒業式の壇上でお祝いの言葉を述べるのはこれで二度目となりますが、ここから眺める皆さんの姿は、今年も実に逞しく、この場所から、この景色を眺める事ができるだけで、PTAの会長をやっていて良かったなと思います。
 
皆さんはまるで、若く生い茂った草原のようです。
 
十二年ほど前、皆さんは一粒の種から芽を出し、ご両親から愛情という名の栄養をもらい、すくすくと育ちました。
皆さんの成長はめざましく、やがて家庭という小さな鉢では足りなくなりました。そこで、小学校という名の大きな鉢に植え替えられたのが、今から六年前のことです。
この鉢はとても大きかったのですが、皆さんはここでも先生や仲間、多くの人々から沢山の栄養をもらい、とうとうこの鉢にも収まらなくなりました。
これが、皆さんが本日、小学校を卒業する事の意味です。
これから皆さんは中学校というより大きな場所で育ち、その後も高校や大学などを経て、いつか社会という大きな大きな世界で生きる事になります。
ここからの世界では、今までになかったような事が待ち構えています。時には大きな風が吹いて、枝が折れるかもしれません。時には水が無くなったり、光が当たらなくなる日がくるかもしれません。またある時には他の動物や虫に、葉っぱが食べられてしまうかもしれません。
でもどうか、それを恐れないでください。折れた枝の根元や、食べられた葉の周りは、その経験を経て、より強く成長するからです。
そして、もうひとつ覚えておいて欲しいこと。それは、この先どんな世界で生きる事になったとしても、皆さんが根ざしているその大地は、ここまで育ててくれたご両親やご家族、先生やその他多くの人々との繋がりそのものであるということです。たとえこの先、どんな嵐が来ようとも、どんな日照りの日が続こうとも、どんなに遠く離れようとも、たとえ二度と会えなくなろうとも、その記憶は皆さんの大地となり、永遠に勇気と強さを与え続けてくれます。
ですから、恐れず光の指す方へその枝を伸ばし、強く大きく育ってください。そしていつの日か成長しそれぞれの森に根付いた時には、どうかその大きく育った木陰に生きる、より小さな生命を守る、優しい存在になってください。
ここから見える皆さんは、まだどんな花を咲かせ、どんな実を付けるのか想像もつきません。草原で太陽を仰ぎ一直線に伸びるヒマワリでしょうか?それとも、太くて硬い幹をしたためたカシの樹でしょうか?遠い未来にどんな花が咲き、どんな実をならすのか、これからも、この大地から楽しみに眺めていきたいと思います。
 
さて、ここまでお子様達を育てて来た保護者の皆様。改めておめでとうございます。ここまでには語り尽くせぬほど多くのご苦労やご心配があった事と思います。しかし本日、卒業証書を授与したお子さんを眺め、その努力が報われた気持ちになっていらっしゃるのではないでしょうか。まだまだ皆様の森を離れていくまでには、数知れないご苦労があると思います。しかしどうぞ本日は、ここまで成長したお子さんと、ご自分自身に温かい労いの言葉をかけてあげてください。
また、ご列席いただいた地域の皆様。本日まで子ども達を見守っていただき本当にありがとうございました。小学校を卒業するとは言え、彼らはまだまだ若い苗木です。今しばらくの間、彼らがこの大地で成長していく姿を見守っていただければと思います。
 
最後になりましたが、校長先生をはじめ教職員の皆様、六年間という長い間子ども達を温かく導き、ときに我慢強く見守ってくださいましたことを、PTAとして、また一人の親として心より感謝申し上げます。どうぞ今後とも変わらぬ愛情とご支援をいただきますようお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。