卒業式でのPTA代表祝辞(全文掲載)


昨日は小学校の卒業式。PTA会長としては、3度目にして最後の祝辞を読みました。
もう自分は二度と同じ祝辞を読まないので版権フリーです。
無論、使いたければの話ですが。
 
1回目、2回目はシリーズになっていたのだけれども、もう飽きてしまったというか、言いたいことがもっとシンプルになってしまったので、ガラリと体裁が変わっています。
卒業生の中に自分の娘がいることもあり、少し内容はプライベートに偏っているかもしれない。でもまあ、3年もやったんだから、このくらいは良いでしょう。
 
まあ、とにかく以下に掲載します。
 
あ、相変わらず長いよ。

本日の卒業式にあたり、PTAを代表しまして、お祝いの言葉を述べさせていただきます。
 92名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。六年間の小学校生活を終えた今、皆さんは何を思い、何を感じているのでしょうか。
 勉強したこと、部活動をがんばったこと、友だちと遊んだこと、思い出はそれぞれ違うでしょうが、その一見たわいもない思い出の数々が、いずれ遠い未来に、みなさんを勇気づける力の源になることを、心より祈っています。

 今日は、皆さんの門出に際し、92名が出会った意味についてお話したいと思います。

 今、世界には75億人もの人が住んでいます。このうち、日本人は1憶2千万人、その中で、皆さんと同じ6年生は114万人。ちょっと計算してみますと、今日この小学校で、卒業生としてこの式に参加する確率は、だいたい100万分の1。これは、ものすごい「たまたまの偶然」だと言えます。
 皆さんは、偶然12年前に日本で生まれ、偶然このまちに住み、偶然この小学校に通い、そして本日、この学校を卒業するわけです。皆さんは何一つ選んでいない。何一つ考えないで、今この場所に座っているわけです。

 …と言われると、ちょっとムッとしますよね。今度は逆の話をしようと思います。
 皆さんは、小学校の6年間で、いろいろなことに出会い、考え、そして選んだと思います。卒業しても続けたい好きな事、卒業しても仲良くしたい友だち、卒業しても大切にしたい思い出、遠い未来になりたい自分や夢。そのすべてに、出会えてよかったなーと思っていますよね。
それで良いんです。それこそが君です。いろいろな偶然が運んできた、たまたまの出会い。その中から、大切に思えるものを見つけた君を、ここにいる大人達は、とても誇りに思います。
これからも、皆さんが出会い、考え、選ぶことは沢山あります。どうぞ、ひとつひとつの出会いを大切に、君の心の声に耳を傾け、ためらわずに、欲しいと思うものを掴み取ってください。
そして卒業を迎えた今、君たちが「たまたま偶然通った学校が、小学校で良かったなー」と思ってくれていることは、ここにいる大人達全員の願いです。

一言付け加えさせてもらえるならば、私は、たまたま偶然、娘が通った学校の、たまたま出会った同級生が君たちで、ほんとに良かったなーと思っていますよ。

さて、ここまでお子様たちを育ててきた保護者の皆さま、改めておめでとうございます。ここまでには語りつくせぬ程のご心配、ご苦労があった事と思います。しかし本日、卒業証書を授与したお子さんを眺め、その努力が報われた気持ちになっていると思います。まだまだ私たちの手元を巣立っていくまでには、様々な苦労があろうと思いますが、今日はお互い「ここまでよく頑張ったね」と労いあいましょう。
また、ご列席いただいた地域の皆さま、本日まで子ども達を見守っていただき、誠にありがとうございました。小学校を卒業するとは言え、彼らはまだまだ未熟です。この地域で、まだまだ学ぶべきことがたくさんあります。今しばらくの間、この地域で成長していく姿を見守っていただければと思います。
最後になりましたが、校長先生をはじめ教職員の皆さま、六年間という長い間子ども達を暖かく導き、時に我慢強く見守ってくださいましたこと、PTAを代表し、また一人の保護者として、心より感謝申し上げます。どうぞ今後とも変わらぬ愛情とご支援をいただきますよう申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。