ライブ撮影のできる50,000以下のミラーレスシステムに関する考察
前回、同じテーマで一眼レフの事について記載した。すると、当の本人からこんな回答が。
「ますます迷ってしまった」
「荷物が多く、コンパクトなミラーレスに惹かれる」
無理もない。やはりカメラを本格化するにあたり一番のネックは「重さ・大きさ」だと思われ、ここに踏み込むには相当の覚悟が必要だと思う。
そんなわけで、ミラーレスについて考察してみる。
ミラーレスと一眼レフの違い
まず、一眼レフから見たミラーレス一眼のメリットとデメリットについてまとめる。
メリット
- コンパクト
最大のメリットは間違いなくこれ。小さく、そして軽い。これをバカにしてはいけない。僕が仕事として撮影に出る時にはカメラ2台、スピードライト、三脚、そして交換レンズを5本程持ち歩く事になるが、これだけで45Lのバックがいっぱいになる。機械でいっぱい。この重さは筆舌に尽くしがたい。まるで修行のようだ。
そこにある程度の「割り切り」が必要とは言え、ミラーレスにはその重さから解放されるだけのポテンシャルがある。正直に言って羨ましい。
- 安い
まあ、一概にそうとも言えないけど、総じて総価格は安くなる傾向にあると言える。なぜなら、これはデメリットとも言えるのだけど、「買うべきオプションが少ない」から。キットに付属しているもので戦う、という前提に立てば、総価格は安く抑えることができる。
- 機能が充実
大概において、本格的な一眼レフに比べ、機能が充実している。本格的な一眼レフユーザの場合、本格的な編集はパソコンでやれば良いと考える人が多い一方、カメラ側に様々な編集機能が存在している事が多いと言える。
これは「女子カメラ」などと揶揄される事も多い所以だけど、大してこだわりの無い事に対し無駄な労力をかける必要はない、なんて割り切りもある。
デメリット
- 拡張性がない
拡張の最右翼である交換レンズの絶対数が少ない。また、仮に拡張をしようとしたとして、大概において交換レンズの価格が高い。人にもよるだろうけど、総額5万で購入したカメラの交換レンズに、カメラと同じ金額以上のレンズを購入しようとする人はあまりいないだろう。そもそも、一眼レフと違い、まだまだ未成熟な分野。レンズ資産が今後も利用できるという確証もない。
つまり、実質的に拡張性は極めて低いと言える。
- 操作が煩雑で大雑把
ミラーレス一眼のユニット自体の考え方は、基本的にコンパクトデジカメに準拠しており、例えば細かい設定や精緻なピント合わせを行おうと考えた場合、途端にストレスが溜まる存在になる。搭載できるボタンのエリアが限られているのだから無理も無い。コンパクトさと引き換えにする代償だろう。
で、ミラーレス一眼とは何者?
上記、メリットデメリットを色々と取り上げたが、敢えて大雑把にまとめると、ミラーレス一眼とは「一眼レフのメリットを取り入れたコンパクトカメラである」と言えるんじゃないかと思う。
では、一眼レフのメリットってなあに?ってことになるんだけど、この考え方が各社違う。多くの会社は「レンズが交換できる事」と考えているように思うけど、前述の理由により、僕はこの考え方は違うんじゃないかと思っている。
僕の考える、ミラーレスに取り入れるべき一眼レフのメリットは以下のものだ。
背景をぼかした画像が撮影できること!
背景をぼかすポイントは幾つかあるが、レンズを交換するだけで実現できないものが「画像素子の面積」であり、少なくとも交換レンズの価格も種類もこなれていない現状では、この部分を軽視したシステムには敢えてノーを突きつけたい。
簡単な事だ。わざわざミラーレスを購入するんだから、「やっぱり、ひと味違うよねー」と思わせるだけのコンデジとミラーレスの明確な違いが必要で、それはポチっと撮影した画像を見ただけ分かる違いじゃないといけない。その点、背景のボケってのは大変分かりやすい違いである。
で、ではお勧めのミラーレスは?
今回、以上の観点および前回示した要件でミラーレスを色々と調査しようと考えたのだけど、実のところその調査は簡単に終わってしまった。
ミラーレスに求められる背景ボケを発生させられるだけの画像素子面積を持ち、高感度に強く、価格が5万円以下のミラーレス一眼。現状では選択肢が1つしかないのだ。
それが、これ。
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仕様 | 性能 | 備考 |
---|---|---|
画像素子サイズ | APS-Cサイズ(23.5x15.6mm) | |
有効画素数 | 約1620万画素 | |
アスペクト比 | 3:2 | 16:9も可能 |
静止画記録方式 | JPEG/RAW | |
動画記録方式 | MP4(最大1280×720、29.97fps) | 残念ながらフルHDじゃない |
記録媒体 | メモリースティック/SDHC | |
静止画ISO感度 | 200〜12,800 | AUTOの場合1,600まで |
動画ISO感度 | 200〜3,200 | |
重量 | 約 225 g | 本体のみ |
外形寸法 | 約 109.6 (幅)x 60.0 (高さ) x 33.0 (奥行き)mm | |
フラッシュ | 外付け | 付属品として添付 |
交換レンズ | E 16mm F2.8、E 18-55mm F3.5-5.6 OSS |
その他の機能については、ソニー公式サイトで。
http://www.sony.jp/ichigan/products/NEX-C3D/
価格はアマゾンで40,000円くらい。色は好きなのを選んでください。
実際、ソニーαシリーズの評価は総じて高く、斜め読みしていた時にはその理由がよく分からなかったのだけど、今回調べてみてその理由がよく分かった。
ちなみに、僕がこれを買うかと言われたら買わない。魅力を感じないからではなく、これを買っちゃうと一眼レフを持ち歩かなくなりそうで怖いから。