MNPすべきか。iPhone5のau/softbank購入パターン別、費用の総額について。

連日iPhone5の事について調査しているけど、この総額という話はすごくややこしいので別エントリーにしました。

最初に結論から言います。

MNPを検討するに値するのは、以下の人のみです。

  • 現在auを利用している人で、スマートバリューの適用が受けられない人
  • 利用中の携帯がたまたま利用24ヶ月目の人
  • 現在利用しているキャリアに不満があり、iPhone5購入を機会にオサラバしたい人(値段ではなくサービスを重視)

以下に、詳細を説明します。
 

結構高く付くMNPの代償

MNP(番号そのまま他社へ契約変更)というのをすると、月々の料金が結構安くなりますよね。auなら「女子割」「男子割」(変な名前!)、softbankなら「iPhone買い替えキャンペーン」とか。何となく、MNPの方がお得な印象を受けます。
 
ところがMNPの際にかかる費用は以下の通り。結構高いです。

項目 支払い先 費用
a.2年割引解約手数料 現キャリア 9,945円
b.MNP転出手数料 現キャリア 2,100円
c.契約事務手数料 新キャリア 3,150円
合計 - 15,525円

 
a.の解約手数料については、ご利用中の携帯電話がたまたまサービス利用開始後24ヶ月目であれば無料となりますが、まあたまたま24ヶ月目なんて人もあまりいないでしょう。
 
ausoftbankが出しているプラン、果たしてこの金額を上回る値引きなんでしょうか?
 

月額料金はどうか?

まず、月額料金を考えるためのファクターを説明します。

※前提

  • iPhone5は一括ではなく分割で払うものとします。
  • オプションサービスは考えないものとします。
  • 16GBを購入するものとします。

○サービスの基本料金
au/softbankどちらの場合でも、名前は違いますが以下の料金が発生します。

○2社の割引サービス

  • 月々の割引

au/softbankとも購入から2年間、基本料から端末機購入見合い分相当の割引が受けられます。どのサービスもこの値引きで16GB端末機の購入費用を実質0円としています。
ただし、auで機種変更した場合のみ月々390円の実費が発生します。

  • キャンペーンによる割引

ここがカオス。

  • MNPする場合

auでは「男子割」「女子割」として、softbankでは「【新】 iPhone かえトクキャンペーン」として、2年間月額基本料980円が0円となります。

ここまでは一緒。
ただし、softbankの場合のみ、機種変更でも以下のサービスがあります。

softbankのユーザがiPhone5へ買い替えをした場合、「iPhone かいかえ割」として、1年間月額基本料980円が490円になります。

 
これを加味した、2年間の支払い総額は、以下の通りです。

ケース 2年間の総額
機種変更でauから購入 171,480円
MNPsoftbankから購入 153,825円
差額(au-softbank) 17,655円
ケース 2年間の総額
機種変更でsoftbankから購入 156,240円
MNPauから購入 153,825円
差額(softbank-au) 2,415円

 
2年間での総額を見た限りでは、auのユーザには値段的な有意差が現れますが、softbankの場合は殆ど有意差が無い事がわかります。
 

落とし穴?2年目以降はどうなる?

ところが、です。
もう1つ説明しなければならない事が。それはパケット定額の料金です。
2年目までの金額は、どちらのキャリアでも、どのプランでも、ともに「月額5,460円」なのですが、実はauのこの金額はキャンペーンによるもの。25ヶ月以降、この金額は正規の料金である「月額5,985円(+525円)」に戻ります。
この事により、「端末機の支払いが終了」し、それに伴い「毎月の割引も終了」した25ヶ月以降の金額は、softbankの6,755円/月に対し、auは7,280円/月となります。つまり525円高い。
 
というわけで、4年間通期のシミュレーションをしてみましょう。

ケース 4年間の総額
機種変更でauから購入 346,200円
MNPsoftbankから購入 315,945円
差額(au-softbank) 30,255円
ケース 4年間の総額
機種変更でsoftbankから購入 318,360円
MNPauから購入 328,545円
差額(softbank-au) -10,185円

 
おわかりでしょうか?
softbankのユーザがauに乗り換えた場合、長期的にはより高い費用を支払う事になる、という事です。
 

結論

総額の側面から見ると、図らずも2社の考えが見て取れます。

  • auiPhone5戦略はMNPを狙ったもの。既存ユーザ/新規ユーザはほぼ相手にされていない(買いたきゃ買えば?というスタンス)。
  • softbankは、より既存ユーザの囲い込みを意識している(ここでは説明しなかったけど、iPhoneiPhone移行でもキャンペーンがある)。

僕は今回auを選択しましたが、iPhoneユーザとして長く過ごしたい人は、もしかするとsoftbankを選ぶべきなのかもしれないですね。逆にiPhoneを使うつもりが無い人には、相対的に厳しいキャリアなのかもしれないけど。
 
 
とまあ、色々と語りましたが、結局は、差額に見合うサービスの差があるのかがポイントだと思います。

  • 一般的に「繋がりにくい」という噂の絶えないsoftbank、不透明ながら若干au優位に報道されているLTEの動向。どちらが自分の生活圏で有用なの?
  • Wifiも含め、全体的な高速化が謳われているau、でもそんなに高速な回線が必要なの?
  • キャリアメール捨てられる?
  • テザリング、自分には必要なのかな?

こんな事を天秤にかけて選ぶのが良いのでは無いでしょうか?
 
 
あなたが「携帯なんて何でも良い」っておっしゃるならば安いsoftbankをお勧めしますが、そもそも何でも良い人はiPhone5なんて買わないですもんね。
 

ちなみに

2つ程追記します。

発表後2年間は無料とされていますが、これは本来525円/月のサービスが無料化されたもの。
このサービスを利用したい場合、au側では実に1,050円/月の追加が発生します。
一方、softbankでは広報の人が「テザリングちょっと辛い。しばらく勘弁。」と白旗を挙げてます。「あの人」が「やりましょう」って言っちゃう可能性もありますが、その場合電波状況はカオスに陥るんじゃないでしょうか?
想定通りですが、9/19ソフトバンクよりリリースがあり。「テザリングやりましょう」だそうです。金額的な条件はほぼ一緒です。これについては近々にブログにアップしたいと思います。

  • 自宅のインターネット回線がauひかりの人、またはauひかりにしても良い人

auで「スマートバリュー」というサービスが受けられます。調べていただければわかりますが、家族1人につき2年間月額1,480円の割引となる超弩級の値引きサービスです。覚悟次第によってはトンデモな値引きが期待できますので、興味があれば調べてみてください。