クリスマスの約束2012

今年もクリスマスの約束がやってきた。
何年も前から、この番組が僕にとっての「ゆく年くる年」になっている。今年は残っている仕事も多く、25日で仕事納め、というわけにはいかないけれども。
 
以下、ネタバレは一切無いモノローグです。
 
実は今年、小田和正が伝えたい事は番組を観る前からなんとなく予想がついていたので、僕はそれとは違った楽しみ方をしようと思っていた。まあたまには、視聴者である僕も純粋に音楽を楽しんでも良いのではないかと考えたのだ。
でも実は小田和正自身も、僕と同じような心持ちで番組に臨んでいたのではないかと、見終わった今は思う。
 
12年前、番組をはじめた当初に小田和正が目指していたもの。それはもうある意味では達成されているし、別の意味では完全には達成できなかった。もう、そんな事に小田和正はそれなりに気づいているし、受け入れているのではないかと思う。今年の小田和正は、スターダストレビュー根本要が言っていたように、少し肩の力を抜いていたように見えた。
 
 
その昔、定年退職を迎えたとある方が仰っていた言葉がある。
「これからは、少しずつ、
 自分の生きてきた証を消していくんですよ」
 
この言葉を聞いた時に、僕は「ふうん、歳を取るとそんな風に考える事もあるんだなあ」というくらいにしか捉えていなかった。でも、今晩の小田和正を見ているうちに、あっ違うんだな、と。
その方は、自分が置かれているこれからの立場を、静かに、謙虚に、シャイに、決して期待する事無く受け入れるための覚悟をしていたのだと思う。なんとなく、そういう事だったのだと思った。
 
自分を覚えていてくださいなんて事は、恥ずかしくて決して言えない。
でもそれは、「もし良かったら、覚えていてくれませんか?」という言葉の裏返しなのだと思う。
 
来年のささやかな目標として、その方に会う事をリマインダーに入れる事にしました。
さてしかし、どうやって理由をつけるかなあ。