冬の朝日

禁煙二日目だ。そしていつのまにか冬の朝日だ。
 
街には森で食いつぶした鳥たちの姿が目立つようになった。吐く息も少しだけ白い。低い角度から照らされるススキの穂が白銀色に眩しい。
 
冬はわりと好きな季節だ。厚着はもともと苦ではないし、肩こりもあまり経験したことがない。野鳥のシーズンでもあるし、暖かい食事も美味しい。
 
寒いと手を繋ぎたくなるのが、難点と言えば難点であるけれども。
 
太陽が高く昇るにつれ、人々は起き出す。人々が活動を始める頃には、街はまたその猥雑さを取り戻す。今はそれまでの僅かな猶予期間。僕はその場所から語っています。