SP 革命編(評価:★☆)

積極的不謹慎運動の一環として。
しかし、やってる映画館が少なくて苦労したよ。

 
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※※※ 注意 ※※※
「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
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1.評価
"完結"の意味を辞書で調べたほうがいい
★☆
(★…1点 ☆…0.5点,★5つで満点)
 
2.基本情報

 
(2011年/東宝/98分)
 
監督   :波多野貴文
脚本   :金城一紀
原作   :金城一紀
出演   :岡田准一
      堤真一
      真木よう子
      松尾諭
      神尾佑
      野間口徹
      香川照之
 
官房長官襲撃事件の二カ月後。通常業務に復帰した第四班は、麻田内閣の不信任決議が行われる国会議事堂での警護にあたる。だがその裏では、尾形の人生を賭した「革命計画」が実行に移されようとしていた。
 
3.コメント
物語を物語として成立させる条件について持論がある。こんなのだ。

・物語を通じ、主人公がなにかしらの成長をする。もしくは何かを成し遂げる。
・結末には(たとえ限定的ではあっても)幾許かの救いがある。
・言いかえれば、結末を迎えることにより、世界が少しだけ良い方向に変わる。
・提示された伏線や謎は、ある程度まで解き明かされる。
・ただし、前提として投げかけられた謎は、必ず解き明かされる。

この作品は、制作者側も含めて「完結編」だの「最終章」だのという言葉をふんだんに使っているのだから、やっぱりSPの最終回だと考えていいんだろう。いや、そうなんだろう。
 
さて、この物語は何一つ終わっちゃいない。謎は何一つ解き明かされていないし、世界はどこにも向かっていないし、主人公たちは何も勝ち取っていないし、したがって世界は少しも良い方向に進んでいない。
何一つ終わっちゃいないこと自体をして物語の結論とするってやり方がないわけじゃない。実際、そういう終わり方をしている"良い物語"ってのは、世の中に結構ある。
でも、その場合は往々にして「何一つ終わっちゃいない」ことを受動的に受け入れること自体が、主人公たちにとっての成長だったりする。
 
この作品が単なる「革命編」で、続きが(作られるにせよ、作られないにせよ)あるという前提なら、星4.5くらいの絶賛をしていただろうと思う。画面の緊迫感や、そこに織り交ぜられる息の抜きどころや、相変わらず凄い岡田くんのアクションや、随所にちりばめられたアイデアなど、称賛すべき点は幾らでもある。それだけに残念でならない。
 
完結編、永遠に・・・
ヤマトかよ、と。
 
終わりって、とても大事。
ストーリーテラーは、ストーリーを記しはじめた以上、物語をちゃんとした場所で殺してあげなくちゃならない。それがストーリーテラーとして最低限守るべきルール。モラルと言えるかもしれない。
 
それが出来ないのであれば、はじめから物語なんて語っちゃいけないのだ。
 
5.2010年度ランキング(3/28時点)
というわけで、そういう諸々を含めて、ランク外。
(1)ベスト10
  1 GANTZ
  2 相棒-劇場版2-
  3 白夜行
  4 
  5 
  6 
7 
  8 
  9
10
 
(2)ワースト3
  1 
  2 
  3
 
(3)ランク外
    SP革命編