禁断症状

さて、今日から禁煙である。
そもそも吸っていなかったことになっているので、やめること自体に何ら問題はない。
 
長いことタバコを吸い続けたことのある人にしか理解しずらいことではあるけれども、禁煙と言うのはなかなかに辛い作業である。
 
まず第一に、からだのリズムが大きく崩れる。仕事の休憩は喫煙が規定しているが、このタイミングが消失するため、気づけばやたら休んでいるか、ずっと働いているかの状態になりがちだ。
 
次に、体調そのものが崩れる。これは勘違いされがちな部分なのだが、禁煙をはじめた直後の1ヶ月程度は、間違いなく体調を崩す。良いものも悪いものも、いきなり供給がストップするとホルモンバランスとかそういうのが崩れるのだろう。
 
現在、後頭部に鈍痛が走り、体の表面全体に痺れが走っている。その何割かは筋肉痛だけど、残りはそうじゃない。典型的な禁断症状だ。
 
以前、禁煙について書かれたエッセイの中で「10年経った今でも、たまに夢を見る」というようなことが語られていて、その時は「大袈裟だなあ」くらいにしか思わなかったんだけど、以前何年か禁煙した時、実にこの夢を良く見た。エッセイと同様、ふと気づけば煙草を吸ってしまっているという夢だ。悪夢というほどでもないけれども、あまり寝覚めの良い夢ではない。
 
 
まあ、そんなこんなで禁煙の禁断症状に苦しんでいるわけだ。今日なんて仕事がほとんど手につかないもんだから、早々に切り上げてしまった。そうなると時間が余ってしまうもんだから、吉祥寺まで歩いている。
こんな状態ではあるけれども、今回の禁煙もたぶん成功するだろうと踏んでいる。実は、禁煙の秘訣を知っているのだ。
 
これは万人にお勧めできる方法ではないのだけれども、考えようによっては簡単な方法でもある。
 
つまり、もっと理不尽な力を持った禁断症状に混ぜてしまえば良いのだ。世の中には禁煙よりもひどい禁断症状をもたらすものが少なからずある。あまり多くはないが、たまにある。
 
煙草が吸えないからと言って、なにも死ぬわけじゃないのだ。実際の話。