やっぱりいいな

持田香織というアーティストはどうにもこうにも生歌が下手で、歌番組なんかに出ているのを観ていると、こっちが恥ずかしくなってついついチャンネルを変えてしまうのだけど、プロダクトとしてリリースされた曲は、ものすごくいじられているけれども、それだけに素晴らしい。特にここ数年の曲はちょっとほかの人には真似のできない領域まで達していると思う。
 
再確認をしつづけることのできる人間関係にずっと憧れていた。ただ、その人と一緒にいるだけで、ただただ毎日をともに過ごしているだけで、当たり前のように「やっぱりいいな」と思える関係に。人生だって青春だって人間関係だって、侭ならないことの方が多いってことくらい、大人な僕たちは知っている。雨降りの夜もあるだろうし、自分を殺してしまわなくてはならない朝だって訪れる。この世に生を受け、時間軸の中を彷徨っている限り、僕たちも僕たちの人生も常に有限だ。その有限性が僕たちの生活に翳りを落とすこともあるだろう。
 
でも、どんな状況におちいっても、必ずその先に「やっぱりいいな」があるなんて関係が、この世の中には実際にある。そんなことを知ったことを、ぼくの生涯における3大ニュースの1つにしてしまおう。残りの2つはまだ未定。
 
先のことはよくわからないけれども、世界が終わらない限り来年の冬も再来年の冬も、10年後の冬にだって「やっぱりいいな」が続くのではないかと思っている。その予感がぼくをかろうじてこの場所にとどめているのです。
 
泣けるね。